みなさん、おはこんばんちは
唐突ですが、皆さんはこれ解けますか?
log(x)x2=9ただし、 log(x) は自然対数です。
「は?こんなもん右辺に log(x) 移行して・・・え?」
って普通の人はなると思います。
自分もここから先でつまづいたので、メモがてら解き方をネタにしておきます。
ここで、ランベルトのW関数というのが出てきます。
超々ざっくりに言うと、 z=W(zez) が成り立つ関数というものがあるってことです。(数学科の人ゆるして)
簡単な例を出すと、
x2=W(x2ex2)ですし、
5x=W(5xe5x)が成り立ちます。
ただし、z の部分が以下のように違うと
7x=W(7xe5x)
当然ですが成り立ちません。そのような関数です。
ではここで、
log(x)x2=9 に立ち戻ってみましょう。
まずは、さっきのランベルトのW関数を使える形にしたいですよね。
まず計算しやすいように逆数にして
x2log(x)log(x)⋅x−2=91=91W関数を使いやすいように、わざと x−2 を e−2log(x) にしてあげて 、両辺に −2 を掛けて、今回は
log(x)⋅e−2log(x)−2log(x)⋅e−2log(x)=91=−92W関数を適用して、なんか解けそうな形にして、
W(−2log(x)⋅e−2log(x))−2log(x)=W(−92)=W(−92)−2 で割ったり e をまた乗せて、
−2log(x)log(x)=W(−92)=−21W(−92)完成です!
x=e−21W(−92)W関数内の計算どうすんだよ!って思うかもしれませんが、Wolfram Alpha の、Product Logで計算できます。
つまり、
x=e−21W(−92)≒1.162...です。
ちなみにですが、Product Log は ランベルトのW関数 と 同じ意味です。
「ちょっとまて。y=x2 と y=9log(x) でプロットしてみたら、2つ解があるぞ?」

そう考えたあなた。鋭いです。
x=1.162 は出せました。問題はグラフ上にある x=3.262 です。
軽くネタバレすると、ランベルトのW関数は多価関数で、W(z) の z の値によっては多価を返したり、一価を返したりします。
これは次の投稿で書きますので、気になる方は少々お待ち下さい。
書きました
参考
みなさん、おはこんばんちは
唐突ですが、皆さんはこれ解けますか?
\frac{ x^2}{log(x)} = 9
ただし、
log(x) は自然対数です。
「は?こんなもん右辺に
log(x) 移行して・・・え?」
って普通の人はなると思います。
自分もここから先でつまづいたので、メモがてら解き方をネタにしておきます。
ここで、[ランベルトのW関数](https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88%E3%81%AEW%E9%96%A2%E6%95%B0)というのが出てきます。
超々ざっくりに言うと、
z = W(ze^z) が成り立つ関数というものがあるってことです。(数学科の人ゆるして)
簡単な例を出すと、
x^2 = W( x^2e^{x^2} )
ですし、
5x =W( 5xe^{5x} )
が成り立ちます。
ただし、
z の部分が以下のように違うと
7x \neq W( 7xe^{5x} )
当然ですが成り立ちません。そのような関数です。
ではここで、
\frac{ x^2}{log(x)} = 9 に立ち戻ってみましょう。
まずは、さっきのランベルトのW関数を使える形にしたいですよね。
まず計算しやすいように逆数にして
\begin{aligned}
\frac {log(x)}{x^2} \AND = \frac {1} {9} \\
log(x) \cdot x^{-2} \AND = \frac {1} {9}
\end{aligned}
W関数を使いやすいように、わざと
x^{-2} を
e^{-2log(x)} にしてあげて 、両辺に
-2 を掛けて、今回は
\begin{aligned}
log(x) \cdot e^{-2log(x)} \AND = \frac {1} {9} \\
-2log(x) \cdot e^{-2log(x)} \AND = - \frac {2} {9}
\end{aligned}
W関数を適用して、なんか解けそうな形にして、
\begin{aligned}
W(-2log(x) \cdot e^{-2log(x)}) \AND = W \left(- \frac {2} {9} \right) \\
-2log(x) \AND = W \left(- \frac {2} {9} \right) \\
\end{aligned}
-2 で割ったり
e をまた乗せて、
\begin{aligned}
-2log(x) \AND = W \left(- \frac {2} {9} \right) \\
log(x) \AND = - \frac {1} {2} W \left(- \frac {2} {9} \right)
\end{aligned}
完成です!
\begin{aligned}
x = e^{- \frac {1} {2} W \left(- \frac {2} {9} \right) }
\end{aligned}
W関数内の計算どうすんだよ!って思うかもしれませんが、[Wolfram Alpha](https://www.wolframalpha.com/input/?i=e%5E%28%28-1/2%29*ProductLog%280,-2/9%29%29&lang=ja) の、[Product Log](https://reference.wolfram.com/language/ref/ProductLog.html)で計算できます。
つまり、
\begin{aligned}
x \AND = e^{- \frac {1} {2} W \left(- \frac {2} {9} \right) } \\
\AND \fallingdotseq 1.162...
\end{aligned}
です。
ちなみにですが、[Product Log は ランベルトのW関数](https://en.wikipedia.org/wiki/Lambert_W_function) と 同じ意味です。
「ちょっとまて。
y=x^2 と
y=9log(x) でプロットしてみたら、2つ解があるぞ?」

そう考えたあなた。鋭いです。
x=1.162 は出せました。問題はグラフ上にある
x=3.262 です。
軽くネタバレすると、ランベルトのW関数は多価関数で、
W(z) の
z の値によっては多価を返したり、一価を返したりします。
これは次の投稿で書きますので、気になる方は少々お待ち下さい。
[書きました](https://takayoshikane.blogspot.com/2020/10/w2.html)
参考
- [x^2 = 2^x ~ ランベルトのW関数と共に](https://mikan-alpha.hatenablog.com/entry/productlog_W)
- [ランベルトのW関数(Wikipedia 日本語)](https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88%E3%81%AEW%E9%96%A2%E6%95%B0)
- [Lambert W function(Wikipedia 英語)](https://en.wikipedia.org/wiki/Lambert_W_function)
- [Two Easy-Looking Equations(Youtube)](https://www.youtube.com/watch?v=GKdEbFO-5lY)
- [ランベルトのW関数](http://gilbert.ninja-web.net/math/lambert.html)
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