前回は[ランベルトのW関数を用いた簡単なお勉強](http://takayoshikane.blogspot.com/2020/09/w1.html)をしました。
今回は、ランベルトのW関数がどのような条件において多価関数として値を返すのか見ていきましょう。
前回の記事は、$\frac{x^2}{log(x)}=9$ の一つの解が $1.162...$ を返し、さらにもう一つの $3.262...$ の解が存在することがわかりました。
ここで、ランベルトのW関数がどのような条件において一価関数として返すのか、二価関数として返すのかをいきなり見てみると、
$$W(z) の z において$$
$$\begin{aligned}
W_0 (z) \quad \AND {\rm if} \AND z \AND \gt 0 \\
\ W_0 (z) \ {\rm and} \ W_{-1} (z) \quad \AND{\rm if} \AND -\frac{1}{e} \lt z \AND \lt 0 \\
W_{-1} (z) \quad \AND {\rm if} \AND z \AND \lt -\frac{1}{e}
\end{aligned}$$
になります。
具体的に見ていきましょう。
前回の記事では、最後の式で
$$x = e^{- \frac {1} {2} W \left(- \frac {2} {9} \right) }$$
という式がでました。この中の、
$$W \left( -\frac{2}{9} \right)$$
で、ランベルトのW関数が一価関数を返すのか二価関数を返すの判別していきます。
先程述べた、「$W(z)$ の $z$ においての条件~」のくだりより、
$$\begin{aligned}
W \left( -\frac{2}{9} \right), \ \AND z = -\frac{2}{9} \\
z = -\frac{2}{9} \quad {\rm is} \ -\frac{1}{e} \lt \AND z \lt 0 \quad より、
\end{aligned}$$
この
$$x = e^{- \frac {1} {2} W \left(- \frac {2} {9} \right) }$$
は、 $\ W_0 (z)$ と $\ W_{-1} (z)$ の二価関数を取ります。よって、
$$\begin{aligned}
x \AND = e^{- \frac {1} {2} W_0 \left(- \frac {2} {9} \right)} \\
\AND = e^{- \frac {1} {2} W_{-1} \left(- \frac {2} {9} \right)}
\end{aligned}$$
が解となります。これを計算してみると、
$$\begin{aligned}
e^{- \frac {1} {2} W_0 \left(- \frac {2} {9} \right)} \AND = 1.162... \\
e^{- \frac {1} {2} W_{-1} \left(- \frac {2} {9} \right)} \AND = 3.262...
\end{aligned}$$
となります。
計算は、[こちら($W_0$版)](https://www.wolframalpha.com/input/?i=e%5E%28%28-1%2F2%29*ProductLog%280%2C-2%2F9%29%29&lang=ja)と[こちら($W_{-1}$版)](https://www.wolframalpha.com/input/?i=e%5E%28%28-1%2F2%29*ProductLog%28-1%2C-2%2F9%29%29&lang=ja)です。
これで、ようやくわからなかった交点も求めることも出来ました。
次回は、他の計算例も見ながら勉強を進めていくことにします。
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